今年で(2024年)56歳となり30年以上この仕事(現場監督)をしていると、友人知人から自宅を売って中古の戸建て住宅とマンションどちらがいいか?
子供が家を買うことになったんだけどが新築と中古どっちがいいか?
と相談されることが多くなってきました。
そこで 戸建て、マンション両方の現場経験がある現役現場監督の帯刀が良いところや違い、そして工事目線からの注意点を漏れなくお伝えします。
結論から言うと
マンションと戸建てはライフスタイルに合う方、中古と新築はできれば新築
と思います。
どれも一長一短があり「絶対にこれ!」と言い切れません。
この後解説をしますので参考になれば幸いです。
では、早速参りましょう。
戸建て住宅とマンションの違い
戸建て住宅とマンションの違いについては特に説明する必要はないと思います。(笑)
ですが、あえて説明すると
戸建ては一世帯もしくは二世帯が住むひとつの建物、対してマンションは一つの層にいくつかの区画があって各区画に一世帯が住みこの層が何層にも積み上げらた建物
という説明になります。
次に大きな違いは構造です。
主に戸建て住宅は木構造、マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造、)または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)に分かれます。
木構造は在来工法と2X4工法があります。
よく街中で大工さんがトンテンカンと工事をしているあれです。
マンションは戸数、階層が多いのでかなり丈夫に造る必要があるので大規模な工事となります。
戸建て住宅とマンションの種類
戸建て住宅は注文住宅と建売住宅の2種類があります。
注文住宅は間取り、キッチン、ユニットバス、床材、クロスなどの仕様を自由に選べるのが大きい特徴になります。
対して建売住宅はすでに完成している、もしくはすでに仕様が決まっている物件を見て購入になります。
マンションは建売住宅と同じですでに仕様が決まってモデルルームや完成物件を見て購入する場合がほとんどです。
建売住宅とマンションはキッチン水栓等軽微な物に関しては工事進捗(工事の進み具合)により追加変更が可能な場合がありますので担当営業マンに相談することをお勧めします。
新築物件と中古物件
まず、新築と中古の違いについてなんですが、新築はもうその名の通りズバリ全てが新しい、 新品、当然誰も住んでない。
中古はやはりどうしても以前に住んでいた人の生活感が出てしまうが、価格は新築に対して購入しやすい価格となっている。
車に例えるとするとより分かりやすいでしょうか(笑)
他にはキッチン、ユニットバス等の住器類が新築では当然最新の物を使用しますが、中古は以前は建築当時の物でしたが、最近は不動産業者が中古物件を購入の際にはリフォーム工事を行っている物件が増えています。
新築物件、中古物件双方のメリット、デメリットですが、まずはデメリットから。
戸建て、マンションともに新築のデメリットは得にありませんが、あえて言うなら価格でしょうか。
先程も書きましたが、車も同じメーカー、同じ車種、同じグレードでも新車と中古車では価格に開きがあるのように住宅(不動産)でも同じです。
中古の場合は戸建て、マンション共に以前生活していた人たちの使用感、生活感が残っている、キッチン、ユニットバス等の住器類の仕様が古い、まあ当然と言えば当然ですよね(笑)
なので中古の場合はある程度リフォーム費用を用意する、または仕フォーム済みの物件を探すのどちらかになります。
あと、マンションの場合は耐震設計の基準がいつの基準かを確かめておく必要があります。
これは売却する際の価格設定に大きく影響するので、必ず確認しましょう。
マンションのメリット、デメリット
マンションのデメリットと言えば停電時にエレベーターや給水が止まる事や家事の際の避難でしょうか。
以前都内でゲリラ豪雨があり地下にある給電設備が水没して長期間の停電となりエレベーターが動かなくなり通勤通学の時は階段で昇り降りをしなければならなくなり大変だっだという事がありました。
給水も電気を使ってポンプで高い場所の受水槽へ汲み上げからの給水と、ポンプで直送の給水とありますが、双方電気を使うところは同じなので停電中は断水になりました。
今工事中のマンションは当然対策済なので心配ありませんが、このところのゲリラ豪雨は予想をはるかに超える雨量なのでどのような対策が施されているか確認が必要です。
先程も少し触れましたが耐震基準の確認も必要です。
当然新しい耐震基準で建てられた物件の方が売却時に有利となりますので重要です。
もうひとつ、マンションの住民組合の約款の確認の必要です。
こちらは共用部分の確認や使用方法、作業時間、作業内容、次回大規模改修予定日、以前の住民の積立金の扱い等細かく決められているマンションもあるので必ず確認しましょう。
次にメリットですが、木造の戸建てと比べて遮音性、気密性は数段上です。
気密性については以前の記事のリンクを貼りますのでそちらを参考にしてください。
マンションから戸建てへ引っ越すと…【戸建て住宅】【メリット】【夢の実現】【デメリット】【寒い】 – ouchi-kantoku
建物本体の事ではないですが、マンションは比較的駅に近い大抵好立地の場所に建っていますので、通勤通学、買い物等には非常に便利だと思います。
戸建て住宅のメリット、デメリット
こちらもまずはデメリットから。
一番気になるのは遮音性、気密性そして耐震性ではないでしょうか?
マンションと比べると遮音性、気密性は劣りますが、親世代の戸建てと比べるとかなり良くなっています。
最近はサッシの性能も向上していますで、あくまでも「マンションと比べたら」劣ると思ってください。
中古の場合は10年以上前の建物だと現在の建物の性能に合わせるとなるとかなりのリフォーム費用になりますので購入時に十分な検討が必要です。
あと、木造なので火災には弱いです。
ニュースとかで見たことがあると思いますが、マンションは躯体(柱や壁などの構造体)は残りますが、戸建てでは躯体も燃えてしまい、残念ながら建て替えとなります。
耐震性に関してはここ10年から15年前の建物なら特に問題ないでしょう。
なぜかと言うとそのころから構造的な検査を外部検査会社へ委託することが多くなってきたからです。
それ以前は自社検査が主だったため緩かったです。
特に建売りは「安かろう悪かろう」との言われていました。
しかし外部の検査となればダメなところは是正して写真付きでの報告提出が必要になりますので、先程の「安かろう悪かろう」という事はなくなりました。
もっと以前の、例えば築100年とかの建物は逆に丁寧に造っているので安心ですが、かなりの高額になると思います。
最後にメリットですが、
やはり一番はマンションのように「上下左右に気を使わなくていい」ことではないでしょうか?
特に小さいお子さんがいる場合はドタバタ音(双方の)に対して尚の事気になりますよね。
建物意外だと庭を含む外構がある事ではないでしょうか?
植栽、駐車場またはガレージ、門柱、照明などなどマンションにはないお楽しみがあるのもメリットとして加えてもいいと思います。
リフォームではマンションより変更可能範囲が広いです。
例えば壁ですが、マンションでは壁は一面で一つの躯体(構造体)なので穴は開けられません。
隣が空き家になったからと言って隣の区画を購入して壁を壊して一区画にすることは基本的にできません。
しかし戸建てであれば壁の中の柱、梁、筋交いを壊さなければ隣の部屋と一間続きに改装することができます。
他にも少し手がかかりますが、キッチン、浴室、洗面といった水回りの位置を変えることも可能です。
建ぺい率や容積率を超えない範囲であれば増築も可能です。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積(建物の面積)の割合で、容積率は敷地面積に対する1階2階(3階)の床面積の合計との比率の事です。
要するに建ぺい率と容積率でその土地に建てられる建物の大きさが制限されているという事になります。
外国での話になりますが、ホラー作品で有名はスティーブン・キングさんは小説が売れて収入が増えた時に新築を買おうと相談した友人からこう言われたそうです。
「新築なんてよしなよ、3,4年住んだ家なら大抵のトラブルは前の住人が解決している、中古で十分!」
確かに、合理的な考えですね(笑)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
マンション、戸建て共に一長一短があります、なのでどちらかに迷っているのなら双方現物をできるだけ沢山見て、双方どういったコンセプトで設計施工がされているか、どちらが自分のライフスタイルのあっているかを探しましょう。
因みに私が友人知人や子供たちに勧めるとすれば戸建てですね。
私は草花に興味があり、車やバイクが好きなのでマンションよりは戸建て住宅の方が自分のライフスタイルに合っていると思います。
以上帯刀でした。
最後まで読んでくださりありがとうございます。